七草粥は夜食べてもいい?時間帯は朝じゃなきゃダメなの?
新しい年になって、1月7日には七草粥を食べる習慣があります。
最近では時期になると、スーパーで七草粥用のセットが売っていて便利ですが、この七草粥って朝以外の時間に食べちゃダメなのでしょうか?
基本は朝食べるものということを知っている人も多いと思いますが、朝では都合がつかないなんてこともあると思うので、「夜食べてはいけないのかな?」なんていう疑問が浮かぶ場合もあると思います。
<今回の内容はコチラ>
- 七草粥は夜食べてもいいの?
- 七草粥を簡単に作る工夫・レシピ
- 七草粥を食べる日はいつ?6日や8日に食べても大丈夫?
- 七草粥で付け合せやおかずはいっしょに食べるの?
また、通常七草粥は1月7日ですが、6日や8日に食べるのは駄目なのでしょうか?
今回は七草粥を食べる時間帯や日についてまとめていきます。
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内容
七草粥は夜食べてもいい?時間帯は朝でなきゃだめなの?
七草粥は、本来であれば朝に食べるものです。それはアバウトに知っている、という人も多いと思います。
じゃあ、夜など朝以外の時間帯に食べちゃダメなのか?ということを知るには、まずなぜ朝に食べるのかということを知っていきましょう。
まず七草粥というのは中国から日本に伝わったものです。
かつての中国では1月7日に役人の昇進試験が行われていて、当日の朝に七種菜羹(「ななしゅさいのかん」や「しちしゅのさいこう」などと読み、七種の野菜が入った汁物や七草粥のことを指す)を食べることで立身出世を祈ったと言われています。
中国では、1月7日に邪気祓いや無病息災の意味を込めて七種菜羹が食べられていたので、縁起がいいものとして扱われていたとされます。
また、ウィキペディアにはこのような記述も。
七種は、前日の夜にまな板に乗せて囃し歌を歌いながら包丁で叩き、当日の朝に粥に入れる。囃し歌は鳥追い歌に由来するものであり、これは七種がゆの行事と、豊作を祈る行事が結び付いたものと考えられている。歌の歌詞は「七草なずな 唐土の鳥が、日本の土地に、渡らぬ先に、合わせて、バタクサバタクサ」など地方により多少の違いがある。
引用元:ウィキペディア「七草」の項目
1月6日の夜、あらかじめ用意したセリ、ナズナ、ゴ(オ)ギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロの「七草」をまな板の上に載せ、以下の歌を歌いながらしゃもじやお玉杓子、包丁の背などで叩いて細かくする。
七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン
明けて7日の朝に粥を炊き、叩いた七草と塩を入れて七草粥にする。そして朝食として食べる。
引用元:ウィキペディア「七草がゆ」の項目
お粥の材料として使う、七草を刻むのが古くからの風習で6日の夜とされ、7日の朝にお粥にして食べるものでした。
七草を刻むとき、まな板を叩いて音を出したり、「七草囃子」という歌を歌います。
ウィキペディアの引用文にありますが、七草囃子の歌詞の中にある「唐土の鳥(とうどのとり)」は中国からの渡り鳥や、悪さをする鳥という意味があるとされます。
歌には農作物を荒らす害鳥を追い払う意味や、外界から渡ってくる鳥=病気を運んでくるというイメージから、邪気払いや厄病を追い払う意味が込められているとも解釈されています。
歌を現代風にしてみると、「中国から来る鳥が、嫌な病気を日本に運んでくる前に、やっつけて(追い払って)しまおう」みたいな感じでしょうか~。
歌を歌ったり音を立てることで、悪いものが来ないようにと、まじないのような意味を込めているのではないでしょうか。(*^^*)
なので、古くからの風習を尊重するならば7日の朝というのが一番良いのかと思います。
あとはちょっとアバウトな感覚ではありますが、朝というのはこれから一日が始まる時間です。
寒い季節の朝に、温かく、また縁起がいいものを食べることで、エネルギーに満ち溢れた状態でスタートすることが出来ます。
昔からの風習を抜きに考えても、朝というのは夜の冷え切った空気が一番残っているので、一日の中で一番寒い時間帯でもあります。
なので、温かいお粥で体を温めてから、1日を始めるというのは理にかなっているともいえます。
朝だとあまり重いものを食べづらいですし、お腹の調子という意味でもお粥というのはふさわしいんですよね。
ただ、現代では朝は時間がない、なんていう人も珍しくないので、夜に食べる場合もよくあります。
それにせっかくなら家族が揃っている時間に食べたい、という場合もあると思いますので、そのような時は夜でもいいのではないでしょうか。
もともと七草粥には、お正月で色々食べ過ぎた後の胃をいたわるという役割もあるので、その点を考えれば時間は気にしなくてもいいような気がします。
3食七草粥がご飯代わりに、って家もあるみたいですからね。(笑)
1月なら一日中寒いですし、温かいお粥はどの時間に食べてもありがたいものです。(*^^*)
しかし夜っていうのはしっかり食べたくなる時間帯なので、お粥だけだと足りないかもしれませんね。
なので、夜に食べるときはお粥意外にも付け合せやおかずを用意するといいかもしれません。
(七草粥といっしょに食べるおかずや付け合せについては後半書いていきますよ)
七草粥を簡単に作る工夫やレシピ
朝に作りたいけどあまり時間がない、という方におすすめの、フリーズドライの春の七草というのがあります。
通常は七草を刻んで入れますが、これなら七草の下ごしらえがいりません。
作ったお粥に入れて混ぜるだけなので、手間が減ります。(`・ω・´)
お粥も炊いたご飯から作れば簡単。
レトルトの七草粥というのはないっぽいんですが、より簡略化するなら、フリーズドライの春の七草をレトルトの白がゆに入れればいいのでは?と思います。(笑)
七草粥を食べる日で正しいのはいつ?6日や8日に食べるのは駄目?
すでにもう言っているようなものですが、七草粥は通常であるなら1月7日に食べるものです。
ではなぜ7日なのでしょうか?1月7日というとちょうど関東では松の内の終わりなので、最後の日だから胃を落ち着けるのかな?とも思いますが、実は別の理由があります。
七草粥が中国から日本に伝わったというお話を先にしましたが、中国では奇数が縁起が良いものとして扱われていました。
1月7日は「人日の節句(七草の節句)」とされています。
桃の節句など現在の日本でもおなじみですが、節句は奇数の月と同じ数字の日と定められていて、例えば桃の節句は3月3日、端午の節句は5月5日とゾロ目に数字が重なっています。
ですが1月の場合、数字が重なる日というのは「1月1日」になります。この日は1年の始まりであり、節句とはまた別に大切な日であるため、代わりに7日になったのです。
中国では、1月1日からそれぞれの日に動物を当てはめ、占いをするという風習が存在しました。
各日の占いの対象となる動物は、命を奪わないように大切に扱われたとされます。
- 1月1日:鶏
- 1月2日:犬(狗)
- 1月3日:羊
- 1月4日:猪
- 1月5日:牛
- 1月6日:馬
- 1月7日:人
この中で1月7日の対象は「人」、つまり人を尊重する日と定められ、「人日の節句」が制定されたのです。
(人を大切にする日ということで、この日には犯罪者の処罰もしなかったともされています。)
そしてこの人日の節句には、7種類の野菜や若菜を入れた汁物(七種菜羹)を食べて、無病息災や立身出世を願ったのです。
日本には年のはじまりに若菜を摘み、自然から新しい命をもらい受ける「若菜摘み」という風習がありました。
人日の習慣が中国から日本に伝えられてきたとき、この「若菜摘み」と「七種菜羹」が合わさって、今日も行われている「7日に七草粥を頂き、無病息災を願う」という行事になったとされています。
とまあ、由来を考えれば7日に食べるのが通常ではありますが、6日や8日に食べるのは別に駄目というほとでもないのではないでしょうか。
6日・8日も寒いことに変わりはありませんし、胃をいたわる意味合いや体を温めるための食事として食べるということであれば、むしろいいと思いますよ。
何かとご馳走が多くて、ついつい食べ過ぎてしまう年末年始ですし、ちょっとお腹にも休憩を…って感じで。(*^^*)
七草粥はお粥だけ?付け合せやおかずはいっしょに食べる?
七草粥だけでもOKなのですが、とくに夜食べる場合はちょっと物足りない…なんて感じる場合もあるはず。
そんなときは、おかずなど何かいっしょに作ってももちろんイイですよ。(`・ω・´)
一緒によく食べられているものの付け合せ・おかずの例としては、
- 厚焼き卵、出汁巻き卵
- 煮物
- 漬け物
- お浸し、酢の物
- 魚の甘露煮、煮つけ、焼き魚
- きんぴら
- 佃煮
- 味噌汁
- 茶わん蒸し
- お刺身
などなど。和食でサッパリしたものであればだいたい合うのではないかと思います。
なおご飯の代わりを七草粥にして、他のおかずは普段と同じのまま食べるという方もいるようです。
好きなものでいいと思いますが、七草粥の目的である胃を休めてあげる、ということを考えると…こってりしたものは避けたほうがいいかも?
なので、あまり重くないものがいいのではないでしょうか。(和食は元々さっぱりしたもの多いですけどね♪)
七草粥は夜食べてもいいのかについてまとめ
昔からの風習というのもありますが、朝という時間はあまり重いものが入らないのでお粥が適するということと、一日の始まりに温かいものを食べるとポカポカした状態でスタートできます。
ですが七草粥は基本は朝食べるものというだけで、朝以外の時間に食べちゃダメってことはないです。
現代においては夜のほうが食べるのに急がなくていいですし、準備もゆっくりできるっていうのもありますからね。
お正月の食べ過ぎで疲れた胃を休めるという意味では、あまり時間も関係ないような気がしますし。(^^;
そもそも七草粥自体、この季節しか食べないようなものですし、食べないよりは都合のいい時間帯や日にちに食べるようにしたほうがいいと思います。
なので朝が難しい場合はぜひ、夜にでも七草粥を食べるようにしてみてください。(*^^*)
「七草」なので7つの植物があるわけですが、7つ全て言えますか?簡単に覚えたいときはコチラのページがおすすめです。
春の七草は短歌のリズムに合わせると覚えやすいですよ~。