小松菜を食べ過ぎると起こる害は?栄養やシュウ酸の摂り過ぎになる?
生の状態では量が多く見える小松菜ですが、加熱するとしんなりとして小さくなるので、1束を1日に食べてしまう、ということもあるのではないでしょうか。
どんなに栄養価が高く、体にいいと言われるものでも食べ過ぎれば栄養の摂りすぎが気になります。
なので、多く食べることで起こる体への悪影響というのは心配になるものです。
今回は、小松菜に含まれる栄養とその摂り過ぎによって起こる害について、まとめました。
<今回の内容はコチラ>
- 小松菜を食べ過ぎるとどうなる?(栄養の摂り過ぎになる?)
- カロリーや糖質面では?小松菜って太る?
- 小松菜のシュウ酸の量は?
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内容
小松菜を食べ過ぎるとどうなる?栄養過多になる?
まずはどんな栄養が小松菜に多いのか?を知りましょう。
小松菜はビタミンやミネラルが豊富な野菜です。
<小松菜に含まれる主な栄養>
【脂溶性ビタミン】
- ビタミンA
- ビタミンE
- ビタミンK
【水溶性ビタミン】
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- 葉酸
- ビタミンC
【ミネラル】
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
【その他】
- 食物繊維
書き出してみると本当に多いですが(汗)、それだけたっぷりと栄養を含んだ野菜ということです。
今回は小松菜1束(300g)を目安として、どんな栄養が摂りすぎになるかを書きたいと思います。
小松菜に含まれる主な栄養は脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、ミネラル、食物繊維に分けられます。
この中で水溶性ビタミンというのは、摂取しすぎても余分な量は排出されてしまうので、今回は省きたいと思います。
(水溶性ビタミンも本当に一度に多量に摂れば悪影響が出ることもある…と言われますが、通常の食事であればまず心配はないです)
次に脂溶性ビタミンです。まずビタミンAですが、小松菜のビタミンAというのはβカロテンで、体の中で必要な分だけビタミンAに変換されます。
そのため、βカロテンを摂取したことでのビタミンAの過剰症の心配はないとされてます。
ビタミンEと食物繊維に関しては、小松菜を1束食べても1食に丁度いいくらいの量が摂取できる程度なので、気にする必要はないでしょう。
でもミネラルとビタミンKに関しては少し多めに入っているかな…?と思うので、ひとつひとつ見てみましょう。
ビタミンKについて
ではまず、脂溶性ビタミンであるビタミンKについてです。
ビタミンKは、1日の目安量として18歳以上の男女で150μgとなっています。
(1日の摂取量については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」(リンク先:厚生労働省HP)を参考にしています)
それで小松菜のビタミンKの含有量ですが、小松菜300gでは630μg含まれています。
目安量より圧倒的に多いですよね。でも、リンク先のPDFを見てもわかるように、ビタミンKって上限量の表記がないんですよね。
ビタミンKは脂溶性ビタミンではありますが、多く摂っても害が見られないと言われるので、健康な人であればこの成分もあまり気にする必要はなさそうです。
ただ、ビタミンKには血栓を作る作用があるので、血栓症であったり抗血液凝固剤を使用していると、量を制限される場合があります。
カリウムについて
次に、ミネラルのひとつカリウムです。
カリウムは18歳以上の男性で目安量2500mg・目標量3000mg以上、女性で目安量2000mg・目標量2600mg以上、となっています。
小松菜1束(300g)が含むカリウムは1500mgなので、男性の目標量の半分は摂取できることになりますね。
量としては多いですが、小松菜1束だけでは男女両方の目安量には届きません。
カリウムというのは多くの食品(野菜・果物・魚介類・肉類など幅広く)に含まれるので、その点を考慮すれば多めに摂取してしまう可能性はありますが、カリウムも、健康な人の場合は余分な量は排出されるので基本的に大丈夫だとは思います。
ただし、腎臓に障害がある場合はカリウムの排出がきちんと行われず、高カリウム血症という嘔吐やしびれなどの症状を引き起こす場合があります。
このような方は自己判断をせずに、きちんとお医者さんに相談をしましょう。
カルシウムについて
カルシウムはミネラルの中でもよく聞く成分ですよね。骨の健康には欠かせないことが知られています。
カルシウムの1日の量としては、18歳以上の女性であれば推定平均必要量550mg・推奨量が650mg(70歳以上に限り推定平均必要量が500mg)ですが、男性の場合は年齢によって若干変わるので、以下に表にしました。
<男性(18歳以上)の1日のカルシウム摂取量>
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
18~29歳 | 650mg | 800mg |
30~49歳 | 550mg | 650mg |
50~69歳 | 600mg | 700mg |
70歳以上 | 600mg | 700mg |
カルシウムは乳製品など動物性食品に多い傾向があるのですが、小松菜は野菜の中では珍しくカルシウムが多い食べ物です。
小松菜1束(300g)のカルシウムは510mgにもなり、1日に摂りたい量のほとんどを摂取できますね。
カルシウムの耐容上限量は18歳以上の男女共に2500mgなので、必要な量に対しての上限の幅が狭い印象があります。
カルシウムを過剰に摂った場合の影響としては、他のミネラルの吸収を妨げてしまったり、高カルシウム血症、泌尿器系結石などの悪影響を及ぼすことがあります。
でもカルシウムは多く含まれる食品も限られるので、不足しやすい傾向のほうが強いですね。
なので小松菜で少し摂りすぎてもあまり心配はないような気もしますが、乳製品や骨を一緒に食べる魚などを好む人は、気をつけたほうがいいでしょう。
鉄について
鉄はよく貧血にならないようにと摂取される成分ですね。
鉄に関しては、男女それぞれで年齢ごとに摂取量が違うので、どちらも表にしました。
<男性(18歳以上)の1日の摂取量・上限量【鉄】>
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29歳 | 6.0mg | 7.0mg | 50mg |
30~49歳 | 6.5mg | 7.5mg | 55mg |
50~69歳 | 6.0mg | 7.5mg | 50mg |
70歳以上 | 6.0mg | 7.0mg | 50mg |
<女性(18歳以上)の1日の摂取量・上限量【鉄】>
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29歳 | 5.0mg | 6.0mg | 40mg |
30~49歳 | 5.5mg | 6.5mg | 40mg |
50~69歳 | 5.5mg | 6.5mg | 40mg |
70歳以上 | 5.0mg | 6.0mg | 40mg |
※通常時の値です。女性の場合、月経時は鉄の必要量が多くなります。
小松菜300gの鉄は8.4mgなので、量としては男女どちらでも1日の推奨量は摂れるということになりますね。
カルシウムと同じように必要な量と上限量の幅が狭い感じがありますが、鉄は極端に多く含む食品というのがあまりないです。
鉄分を過剰に摂った場合は便秘や嘔吐、亜鉛などの他のミネラルの吸収阻害などが起こりますが、レバーなど、小松菜以外の食品を過剰に食べたりしなければ、大丈夫じゃないかなと思います。
ちなみに野菜や大豆と言った植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄といいます。
吸収率は肉などの動物性食品のヘム鉄のほうがいいのですが、小松菜は鉄分の他にもミネラル・ビタミンなど豊富な栄養の摂取ができるので、適度に食べることは非常にいいと言えます。
カロリーや糖質はどう?小松菜は太る?
今回見た栄養の中では、小松菜だけで摂り過ぎ!となるような栄養はないですが、ではカロリーや糖質はどうでしょうか?
小松菜1束(300g)だと、まずカロリーは42kcalしかないのでかなりヘルシーな部類です。
また糖質は炭水化物-食物繊維です。
小松菜300gでは炭水化物が7.2g、食物繊維が5.7gなので、7.2(g)-5.7(g)=1.5。
なので1束の糖質は1.5gということになります。
太るかどうかという視点から見れば、小松菜で太るのはたくさん食べても難しそうですね。(^^;)
とても低カロリー・低糖質な食品ですので、ダイエット中でも食べやすいと思います。
小松菜のシュウ酸の量は?食べ過ぎても大丈夫?
小松菜に関して心配になる点でもうひとつ。
ほうれん草と似ているのでシュウ酸が多いんじゃないか?という部分があります。
シュウ酸は下茹ですることで除去をすることができるので、多いなら小松菜も茹でなきゃ…なんて思いますよね。
ですが小松菜のシュウ酸はホウレン草より圧倒的に少ないです。
小松菜と比べると、むしろ生食が普通なキャベツのほうがシュウ酸は多いのです。
小松菜のシュウ酸についてはコチラのページで詳しく書いていますので、合わせてぜひご覧ください。
小松菜の食べ過ぎについてまとめ
小松菜は栄養豊富な野菜ですが、1束食べてもそれ単体で栄養を摂りすぎることにはならないと思います。
カロリー・糖質についても非常に少ない野菜ですので、小松菜が原因で太るということは基本的にはないと言えますね。
(ただ調理方法にもよります、油を使ったりするとカロリーは多くなります。汗)
むしろ小松菜に含まれる栄養というのは不足がしやすい成分も多いので、毎日食べるのは習慣としてはいいのではないかと思います。
他のものも大量に食べ過ぎたりしない限りは、栄養の過剰摂取もあまり心配する必要はないでしょう。
小松菜が好きな方は、色んな調理の仕方を試してみてください。
以下のページで、小松菜の色んな使い方を紹介しています。↓↓
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